【I.まえがき】
熱帯雨林の急激な減少、種の絶滅への危機感、更には、人類存続に不可欠な遺伝資源消失への危機感などを背景として、平成XX年、地球サミットにおいて生物全般の保全に関する包括的な枠組である「生物多様性条約」が採択された。
我が国は、平成XX年に、条約を締結し、条約の規定に基づき、平成X年、生物多様性国家戦略を策定し、平成XX年、第二次戦略となる新・生物多様性国家戦略を策定した。
農林水産業は、人間の生存に必要な食料や生活資材などを供給する必要不可欠な活動であるとともに、我が国においては、昔から人間による農林水産業の営みが、人々にとって身近な自然環境を形成し、多様な生物が生息生育する上で重要な役割を果たしてきた。
我が国の生物多様性保全のためには、農林水産業のあり方とその果たす役割が非常に大きい。同時に、安全で良質な農林水産物を供給する農林水産業及び農山漁村の維持・発展のためにも生物多様性保全は不可欠である。
【(8)里山林の整備・保全・利用活動の推進】
里山林は、薪炭材利用や、落葉の採取等地域住民の利用による適度な働きかけが加わることによって、その環境に適応した様々な野生動植物が生息生育するなど生物多様性の保全上重要な場所であるとともに、その立地等をいかした人と自然とのふれあい・教育の場としての役割も期待されている。
しかし、近年の山村の過疎化・高齢化や生活様式の変化にともなってその利用が低下しており、多様な主体による里山林への新たな働きかけを推進していく必要がある。
そのため、地域とボランティア団体等との連携による植栽や下刈り、間伐など里山林の多面的利用にむけた森林づくり活動を推進するとともに、森林と親しみ生物多様性保全に対する認識と理解を深め自然との共生のあり方を学ぶ取組の推進、都市と山村との交流活動を行う森林ボランティア団体等への支援などにより、里山林の整備活動の重要性への理解を広める。
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