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〔オールドエコノミーも変わる!!〜〕
20XX.XX.XX エコノミスト 第XX巻 第XX号 通巻XXXX号 90〜91頁 写図表有 (全3136字)
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オールドエコノミーも変わる!!
伝統技術からハイテクの企業に育つ
好調なハイテク産業を尻目に、京都の伝統的な和装産業は壊滅的な状況だ。しかし、自社の強みを見極めて、経営資源の集中を成し遂げた企業は、豊かな伝統がむしろプラスの材料になっている。

壊滅的な和装産業

 昨年8月、京都の和装街である「室町」から最初の株式公開企業が誕生した。きもの卸の○○○(○○○○社長、本社・京都市下京区)だ。
 京都の和装産業は今、壊滅的な状況だ。1993年をピークにして需要は毎年半減に近い減少を続け、2000年には93年比で実に9割減という惨たんたるものだ。卸の街である室町や織り・染めの街である西陣では、「葬式を見たら経営者の(保険金目的の)自殺と思え」とまことしやかにささやかれるほどになっている。
 祇園祭の宵山ともなれば誇らしげに先祖伝来の文物を展示していた老舗が次々と廃業し、高層マンションに生まれ変わっていく。
 ○○○はそうした室町で生き残り、株式公開にこぎ着けた。そこには、京都型経営の弱点を克服するための血のにじむような経営改革の軌跡がある。
 「実は8年前に我が社も倒産しかけた」と○○社長は振り返る。需要が急激に減退し、それまでに築き上げてきた増収増益の実績は水泡に帰した。
 そこで2代目社長の○○氏が取り組んだのは、長年の室町の常識を覆す作業だった。
 その第1が「現金取引への回帰」である。
 室町では長い間、問屋が圧倒的な優位を保ち、手形で支払いをするのが常識になっていた。手形自体は珍しくないが、室町の慣習が特殊だったのは手形の決済期限の長さ。半年期限は当たり前。1年でもまだ短い。2年、3年という超長期の手形がまかり通っていたという。要するにリスクをどんどん弱者につけ回していく構造だ。
 そうなると、どの取引先にどんな債権や債務があるのか、だれにも分からない。いきおい、番頭役の一部の年輩従業員に権限が集中することになる。新しい発想は出てこない。受け取った手形がいきなり不渡りになり、敢えなく連鎖倒産、という事例が相次いだ。
 同様の経営危機に瀕した○○○は、社長を先頭に、必死になって現金取引化に取り組む。取引先を一軒一軒訪ねて頭を下げ、支払手形を回収し受取手形を現金化する地道な作業だった。
 そして、現金取引化を軌道に乗せた後に取り組んだのは「若い人材への権限委譲」。併せて商品プロデュース能力を若いスタッフに持たせるよう、人材育成に取り組んだ。
 そうした中から生まれたのが、「○○○○」などのブランドきものだ。20代後半から30代前半までの若い人材が異業種のタレントを前面に立ててブランドを企画する。アパレルのブランド企画と同じ発想だ。
 必死の生き残り戦略を成し遂げてくる間に、ライバルが次々と倒れていった。昨年末には国内最大手が倒産し、ついにきもの卸でトップに立った。

〜〜〜 以下略 〜〜〜 

毎日新聞社

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